■電子ブック制作準備作業(ファイル操作)  
●ダウンロードファイルについて
前の説明では作業するための場所である「作業用」フォルダを作ったので、今回はこの中にROOTSのひな形をコピーしてオリジナル電子ブックを作る準備をします。

製品をダウンロードした際に、どこにファイルを保存するか訪ねられたはずですが、何気なくOKを押してしまった方は行き先がわからないかもしれません。そうならないために、普段からファイルをどこに保存するか意識するようにして下さい。もしわからなくなってしまった場合は、検索機能を使って探してみましょう。

メニューバーのスタートボタンをクリックしてランチャーを開くと、右下の方に「検索」ボタンがあります。これをクリックして検索画面を開いて下さい。

左に何を検索するか指定するようになっているので、「ドキュメント」を選択します。更に詳しく絞り込むために、ラジオボタンで「先週以内」を、ドキュメント名のフィールドにはダウンロードしたROOTSの圧縮ファイル名でフリー版なら「adbFree.lzh」、ライセンス版なら「rot001.lzh」と記入します。検索ボタンをクリックすると検索を開始しますので、ファイルが見つかるまでしばらく待ちましょう。

検索されるとファイルが表示されるので、お目当てのファイルをクリックします。すると左のメニュー内容が変わります。メニューの中の「この項目を含んでいるフォルダを開く」ボタンをクリックして下さい。新しく開いたウインドウが保存した場所のフォルダになります。上部のアドレスを見ると実際の位置がわかります。

アドレスの頭の方を見ると
C:\Documents and Settings\ユーザー名\My Documents\とありますが、この部分がマイドキュメントまでのルート(道筋)です。そして、この後ろにはマイドキュメントから更に下層に進むルートが記載されています。一般にはこれをパスと呼び、\マークで区切って表します(Windowsの英語版やUNIX系等では/を書く)。

あなたが作成した「作業用」フォルダはマイドキュメントの下に作ったので、パスは
C:\Documents and Settings\ユーザー名\My Documents\作業用となります。なお、ユーザー名にはあなたがコンピューターに設定した名前が入っているので、当然個々に名前が違います。

コンピューターでは記憶装置(一般にHDD)の最も上層部に総合管理のためのフォルダを。そしてそれらの中に更に個々に属するフォルダを作るといった具合に、次々に下層に向けてフォルダを作っていきます。前述の引き出しに例えれば、引き出しの中に複数の仕切があり、それぞれの仕切の中に書類を分類するためのバインダが複数入っていて、それぞれのバインダの中に更に見出しで書類が分類されているようなイメージです。

こうした構造はツリー(木)と呼ばれていて、幹に相当する上層フォルダから枝分かれするような形で、下層のフォルダが次々に作られていくイメージから来ています。ツリー構造はデータを管理する上でたいへん便利なので、作成したデータは常にツリーの中で一括管理できるように保存することを心がけましょう。


●ROOTSの圧縮ファイルを解凍する。
ダウンロードしたROOTS制作キットは、転送による時間を短縮するために圧縮されています。そのままでは利用できないので、解凍ソフトと呼ばれる圧縮を復元するためのソフトを使います。色々種類がありますが、たいていは圧縮と解凍の両方を行う機能があります。

当サイトで利用している圧縮形式はLZHまたはZIPです。最近は後者が多くなってきましたが、一般的には前者が主流なのでROOTSはLZH形式での圧縮を採用しています。Windows用でLZH形式を扱う圧縮・解凍ソフトの中では、フリーウェアの+Lhaca、Lhazがお勧めできます。特に+Lhacaはシンプルで分かりやすく、初心者の方にはぴったりだと思います。

既に使用されている方は操作方法をご存知でしょうから、以後の説明は省略して頂いて結構です。ここではまだ利用されていない方のために、+Lhacaのダウンロードから利用までを説明します。まず始めにソフトをダウンロードして下さい。こちらからダウンロードできます。

ページが開いたら「ダウンロードはこちら」と言うボタンをクリックします。ダウンロードページでは右に「ダウンロード」ボタンがあるのでクリックして下さい。以前はこれですぐにダウンロードが始まりましたが、今は更にページが開いてアップデート通知を利用するかどうかの選択画面が表示されます(最近はこういう親切の押し売りが多くて困るのですが…)。とりあえず中程にある「今は登録しない」ボタンをクリックしてファイルをダウンロードしましょう。

Windows XPのSP2以降をご利用の場合は、ダウンロードが始まる前にポップアップブロックによる警告が出ます(これまた面倒な処理が増えましたが、インターネット上の悪性サイトが増えたことによる対策です)。ウインドウ上部に警告用の帯が表示されるので、右クリックして表示される選択枝から「ファイルのダウンロード」を選択して下さい。するとダイアログが表示されて、ファイルをどのように処理するか聞いてきます。ここで「保存」をクリックすると、保存場所を指定するウインドウが表示されます。OKボタンをクリックすれば保存できますが、何気なくクリックする前に必ず保存場所を確認するようにして下さい。

ダウンロードしたファイルは、どこかにまとめて保存しておくと便利です。マイフォルダに例えば「ダウンロードファイル」等と名前を付けてあらかじめ保存用のフォルダを作っておきましょう。今はとりあえずマイフォルダにでもそのままダウンロードしてしまって構いません。後で移動させることもできます。

ファイルが保存されたらファイルをダブルクリックして下さい。+Lhacaは圧縮されていないので、そのままインストール(コンピューターで動作するようセットアップすること)作業へと進みます。指示に従ってインストールを行って下さい。そのままインストールを実行すると、デスクトップ上に+Lhacaのアイコンが作られます。アイコンをダブルクリックすると設定が開きますので、圧縮先と解凍先の「ファイルと同じ場所」をチェックしておきます。これで準備完了です。

使用方法は簡単で、圧縮されたファイルをドラッグ&ドロップ(マウスでファイルをクリックしたまま+Lhacaのアイコンまでずるずると引きずって来てアイコン上でクリックを解除する)すれば自動的に解凍し、圧縮ファイルと同じ場所に解凍したファイルを保存します。

ここからが本題です。ダウンロードしたROOTSのファイルのあるフォルダを開いて下さい。デスクトップ上にあるか、どこかのフォルダ内にあるか、それはユーザーにより色々だと思います。ごみ箱の中以外ならどこにあっても良くて、圧縮されたROOTSのファイルを+Lhacaにドラッグ&ドロップすれば解凍が始まります。ROOTSのような小さなファイルならあっという間に解凍が済みます。

説明通り設定してあれば、同じ場所にROOTSのフォルダが出来上がるはずです。元の圧縮ファイルはもう必要ありませんが、何かのミスでひな形を破損させてしまったりする可能性もありますので、念のため残しておくことをお勧めします。


●ROOTSのひな形をコピーする。
作業用フォルダに新たに「マイ電子ブック」というフォルダを作ります。フォルダ作成方法は以前に説明した通りです。そして、「マイ電子ブック」フォルダがこれから作るオリジナル電子ブックとなるわけです。

では、その中にROOTSのひな形をコピーしましょう。復元したROOTSのフォルダをダブルクリックして開いて下さい。フリー版の場合は「rootsFree」というフォルダがありますが、これがROOTSのひな形になります。電子ブックを新たに作る際は、必ずこのrootsFreeフォルダを丸ごとコピーして電子ブックの元にします。

コピーするには、まずrootsFreeをクリックして選択状態にし、メニューから「フォルダをコピー」を選びます。ダイアログが開きどこにコピーするか指示を仰ぎますので、作業用フォルダの中にある「マイ電子ブック」フォルダを選択して下さい。これで「マイ電子ブック」フォルダの中にrootsFreeフォルダのコピーが作られます。

コピーする方法は他にもあるので参考のために説明しておきます。Windowsにはコンテキストメニューと言う機能が用意されていて、マウスの右ボタンをクリックすると色々なメニューが表示されます。その中にはコピー&ペースト作業用の命令もあるので、これを利用してコピーしてみます。

rootsFreeフォルダを右クリック(右ボタンをクリック)するとメニューが表示されるので、その中のコピーを選択して下さい。次にフォルダを移動して作業用フォルダの中にある「マイ電子ブック」フォルダを開きます。まだ何も入っていないので中身は空のはずです。そこでウインドウ内を右クリックします。再びメニューが表示されたら今度は貼り付けを選択して下さい。先程と同じようにrootsFreeフォルダのコピーが作られます。なお、アプリケーション等では貼り付けのことをペーストと表記される場合もあります。

以後はこうしたコピー作業がROOTSで電子ブックを制作する際の基本となります。自由にフォルダを作ったりフォルダ間を移動できるように、作業をしっかり身に付けておきましょう。このようにして自分でデータを管理していれば、バックアップやデータ整理にとても役に立ち、いざという時にも安心です。