■電子ブック制作準備作業(設定ファイル編集)  
●メモ帳の使用
Windowsには簡易エディタのメモ帳が付属しています。このソフトはテキスト形式と呼ばれる一般的な文書ファイルを読み書きするものです。ちょっと文章を打ち込むには手頃なのですが、低機能であまり使い勝手が良いとは言えません。それでも標準で付属するものなので、まずはメモ帳での編集について説明します。

Windowsをインストールすると、標準ではファイルの純粋な名前しか表示されません。Windowsでは色々なアプリケーションソフトがありますが、そのアプリケーションによって作られたファイルにはちゃんとアイコンが付いていて、他のファイルとは区別できるようになっています。では、いったいどうやって種類を区別しているのでしょうか。

実はWindowsではファイル名の後ろにドットを付けて、更に拡張子と呼ばれる数文字の識別用の名前を付けています。例えばテキストファイルなら.txt、画像ファイルなら.bmpといった具合です。標準では初心者でもわかりやすくするために、拡張子が表示されないようになっているのです。しかし、拡張子がわからないと何かと不便なので、設定を変更して表示するようにします。次の手順で変更して下さい。

1.どこでも良いのでフォルダを開きます。もちろんマイドキュメントでも構いません。
2.上のメニューから「ツール > フォルダオプション」を選択します。
3.「表示」タブをクリックしてダイアログを表示します。
4.詳細設定でファイルとフォルダの中の「全てのファイルとフォルダを表示する」にチェックを入れて有効にします。逆に「登録されている拡張子は表示しない」のチェックを外して無効にします。OKをクリックしてオプション設定を閉じると、ファイル拡張子が表示されていることがわかります。

●設定ファイルの編集
ROOTSの設定ファイルは下記の場所にあります。作業用フォルダにコピーしたひな形を開いて下さい。次の順に進みます。この例ではフリー版の場合を説明します。(ライセンス版は少し構造が違いますので、付属のチュートリアルかマニュアルをご覧下さい)

マイドキュメント > 作業用 > マイ電子ブック > rootsFree > book
最後のbookフォルダを開くと、中にsettei1.jssettei2.jsの2つのファイルがあるはずです。これはROOTSの動作を決める重要なファイルで、拡張子が.jsだと言うことに注意して下さい。.jsはブラウザに搭載されたプログラム言語「Javascript」「を表すものです。

と言っても、.jsファイルの実体は実は単なるテキストファイルなので、メモ帳でも編集できます。説明だけではわかりにくいので、実際にメモ帳でファイルを開いてみましょう。Windowsのメニューバーの「スタート」ボタンをクリックしてランチャーを開きます。「すべてのプログラム」にマウスカーソルを乗せる(XPの場合)とずらりとインストールされているソフト一覧が表示されるので、その中の「アクセサリ > メモ帳」の順にマウスカーソルを移動し、メモ帳の上でクリックして下さい。メニューからの起動ではダブルクリックでは無くシングルクリックでソフトが起動します。

メモ帳が起動したら上部のメニューから「ファイル > 開く」を選びます。ファイルダイアログが表示され、これから開くファイルを指定します。下の方を見るとファイルの種類がテキスト文書になっています。メモ帳で開けるのはテキスト形式だけなので、標準でテキスト文書が選択されているわけです。確認するために上のフォルダ・ファイル表示を見ると、ファイルは.txtの拡張子を持つファイルしか表示されていないことがわかります。そこにファイルが無ければフォルダをクリックして中を見ていって下さい。よく使われる形式なのでどこかで見つかるはずです。他に色々ファイルがあっても違う形式のものは表示されません。

話を戻しますが、先程のファイルダイアログの中のテキスト文書をクリックすると、他に全てのファイルという項目がありますので、そちらを選択してみて下さい。そうすると今まで表示されなかったファイルも表示されるようになります。もしここでテキストファイル以外を選択して開いたらどうなるでしょうか。試してみればわかりますが、わけのわからない文字列が表示されるはずです。ファイルには色々な種類がありますが、無理矢理テキストファイルとして開くため、正しい文字情報として表示されないのです。

では、ROOTSの設定ファイルではどうでしょうか。メモ帳のファイルダイアログからはHDD内の全てのファイルにアクセスできますので、前述の設定ファイルのあるフォルダを開いて下さい。全てのファイルを表示する設定になっているので、当然settei1.jsファイル等も表示されます。

このファイルをダブルクリックするか、クリックした後でOKボタンを押すとファイルが開きます。どうですか? ちゃんとした文字や文章で表示されているでしょう。拡張子が違っていても同じテキスト形式なので正しく読み込めたわけです。逆に言えばテキストファイルであっても、別の名前を付けて保存しておくこともできるのです。今は全てのファイルが対象になっているため、これを保存しようとすれば拡張子は.jsのままで正しく保存します。しかし、もしテキスト文書が対象になっていた場合は、保存の際に.txtになってしまいますので注意して下さい。あくまでもテキストファイルの標準拡張子は.txtなのですから。


●エディタの使用
Windowsのメモ帳では色々と不満があるので、次はテキストファイルの編集にエディタを使ってみることにします。フリーソフトの中にも驚くほど高機能で使い勝手の良いソフトがありますので、それを利用したいと思います。一例として私が普段利用しているTepaEditorを紹介しましょう。非常に高機能なため、私自身も普段使うレベルの利用方法しか知りませんが、ROOTSを扱うにはそれで十分です。

サイトの説明に従ってダウンロードしたらインストールして下さい。インストールすると他のソフトと同じようにアイコンをダブルクリックするか、ランチャーのメニューからソフト名を選択すれば起動する事ができます。

ファイルメニューから「開く」を選択するとファイルダイアログが表示されますから、ROOTSの設定ファイルを選択します。この時、ファイルの形式にjavascript(.js)、またはすべてのファイル(*.*)を選択しておきます。

「開く」ボタンをクリックするとファイルが開きますので、後は自由に編集することができます。一般的な編集方法はメモ帳とさほど変わらないので、違和感無くすぐに利用できるかと思います。メモ帳と違って保存の際にはそのまま拡張子.jsで保存してくれるため便利です。今回のように設定ファイルを編集する程度ではさほど便利さは実感できないと思いますが、簡易ワープロとしての利用や、他のOSでのファイル利用等に便利な機能を搭載しているので、興味ある方はソフト付属のヘルプファイル等を参考にして活用してみてはいかがでしょう。